ボール運動教室(Ball School)

【ボール運動教室の目的】

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 本教室はドイツのボール運動プログラムである「バルシューレ」を活用した愛知県で唯一の教室です。

 

 ボールゲームに必要な技術要素200種類のゲームを行いながら身につけていきます。

 

 将来、どんなスポーツを選んでも、活躍できる運動能力を楽しく育成する教室となっています。

 

 バルシューレ(ドイツ式ボール運動プログラム)は聞き慣れないキーワードだと思いますので、プログラム内容はもちろん、その背景やコンセプトについて紹介させて頂きます。

 

 1.バルシューレとは

 

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  ドイツ・ハイデルベルク大学スポーツ科学研究所で開発されたボール運動プログラムです。

 

 Ballschule(バルシューレ)は日本語でボールスクールという意味です。

 

 日本では京都府や岐阜県で教室が実施されています。

 

2.バルシューレ開発の背景・趣旨

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  「ボール遊びを始めたばかりの子どもの『スポーツ教室』はどうあるべきか。

 

 子どもたちの中にあるプレイ力の芽が育ち、開花するには、どのように指導すれば良いのか。」

 

 つい最近まで、このような問いをわざわざ立てる必要はありませんでした。

 

 というのも一昔前なら子ども達にとっての遊び場は、遊びに満ち溢れた路上や公園や空き地だったからです。

 

 ボールを投げたり、捕ったり、蹴ったり、止めたり、突いたり・・・

 

 このような運動技能は、生活世界の中に当然のごとく組み込まれて、日常生活の中で身につけられたと思います。

 

 現在、多くのスポーツ界で活躍している球技選手の中にも、子どもの頃はとにかくボールで遊ぶのが楽しく、特定の種目に偏らずにオールラウンドな経験を積んで育ってきた選手がたくさんいると思います。

 

 ところが残念なことに、現在のヨーロッパや日本のような高度情報化が進んだ国々においては、路上で遊ぶ文化は衰退の一途をたどっています。

 

 そして、そこから出てくる弊害については、健康への害や体力・運動能力低下問題につながるだけでなく、社会性や情緒といった側面にも悪影響が出てくると指摘されています。

 

 そこで、問題を解決しようと、子どものスポーツ活動の重要性が強調されるわけですが、事態はそう簡単ではありません。

 

 なぜなら、近年ではさまざまなスポーツがルールの改訂や用具の改善が重ねられ、ますます高度で複雑な運動技術を必要とするようになったからです。

 

 基本的な運動経験を積んでこなった子どもが、いきなり高度で複雑なスポーツを教えられても、食いつけないのは当然ですよね。

 

 一方に外遊びをしなくなった子どもたちがいて、もう一方に高度化・複雑化されたスポーツがあり、両者の溝は広がっているのが現状です。

 

 

3.バルシューレのコンセプト

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 さて、このような現状認識の上で、実際にはどのようなことをしていけば良いのでしょうか。

 

 結論から言えば、子どもは放っておいても外で群れて遊ぶという前提は成り立たないため、授業やクラブに「遊び」の文化を意図的に取り入れていくことが必要であると思います。

 

 そして、これまで以上にボールゲーム全般に共通する基礎能力の育成に力を注ぐのです。

 

 種目に特化されない一般的なプレイ学習や「ボールとのかかわり合いを学ぶこと」は非常に重要です。

 

 種目横断的なボールゲームを行い、幅広いプレイおよび運動経験を行う一方で専門的な球技種目の学習に入るまでの前段階的内容も充実しているプログラムです。

 

 専門のスポーツ種目の特殊な技術トレーニングに入る前に、幅広い一般的な運動経験を積んでおくことが、いかに大切であるかは、もはや説明するまでもありません。

 

 この意味でバルシューレは「一般から特殊へ」をモットーとする学習コンセプトをもっています。

 

 現在の学校体育ではボールゲームは大きく分けて3つに分類されます。

 

 ①ゴール型(サッカー、バスケットボール、ハンドボールなど・・・)

 

 ②ネット型(テニス、バトミントン、バレーボールなど・・・)

 

 ③ベースボール型(野球、ソフトボールなど・・・)

 

 子どもたちは、4つの「型」を超えた横断的な基礎育成を経て、専門種目に入るべきであると考えています。 

 

4.バルシューレの3領域

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以下に各領域の詳細について記載していきます。

 

ご興味のある方はこちらまでお問い合わせください。

TEL 052-501-0202

 

5.プレイ力を育成する(A)

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Aプレイ力を育成する領域

 

 

 バルシューレは、系統的に並べてはじめて意味を獲得するゲームではなく、それぞれ独立したゲームから成り立っています。

 

 しかがって、授業やトレーニングの中で、必ずしも積み重ね方式で学習しなくても良いのです。

 

 だからと言って、「何でもあり!」の原理で手当たり次第にゲームを寄せ集めているわけではありません。

 

 一般化されるプレイ力や戦術力が子どもたちに身につくように、戦術要素を含んで作られています。

 

 以下の7つの要素が一般的な戦術要素として、抽出されています。

 

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・位置取り/正しいタイミングでプレイコート上に最適な位置取りをする(ボールを持っていない時の走り=空間配置)

 

・個人でのボール確保1対1の状況、一人の敵と対峙して、ボールを確保し、攻撃行動につなげる

 

・協働的なボール確保味方と協働してボール確保し、攻撃へとつなげる

 

・個人での優勢づくり敵の妨害を「かわして」、時には簡単なフェイントをかけて、優勢を作り出す

 

・協働的な優勢づくり味方と協働して優勢をつくり出す

 

・隙の認識パスやシュート、すなわち「突破」のチャンスを与えるような隙間に気づく。

 

・突破口の活用正しいタイミングでプレイコート上の最適ポジションからパスやシュート・ゴールへと導く突破口を活用する

 

 

 これらの要素は一貫して「攻撃の視点」から挙げられたものです。

 

 しかし、実際のゲームにおいては常に防御的要素と表裏一体となっています。

 

 その意味では「決定打を放たれないように妨害する」とか「隙を作らせない」と言った戦術も同時に求められます。

 

 

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 潜在的学習(implizites lernen)プレイに付随して知らず知らずのうちに知識や能力を身につけていく方法。

 

 これらの要素を盛り込んだゲームを子どもたちには「ひらすら」プレイしてもらいます。

 

 通常のボールゲーム指導では、はっきりとわかるような指示や修正を出して、子どもたちに意識的な学習を促す方法がとられるのですが、バルシューレではそういう方法をとりません。

 

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 指導的な介入せず「ひたすらプレイする」ことに重点を置き、知らず知らずのうちに知識や能力を身につけていく方法です。

 

 指導者(先生)は子どもたちの動きをフィードバック(振り返り)するのが役割です。

 

  

6.身のこなし(運動協調性)の育成(B)

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 身のこなしを育成するバルシューレでは、運動協調性を高めることに重点が置かれています。

 

 運動協調性の80%〜90%は子ども時代に出来上がります(プレゴールデン・エイジ期)

 

 就学前から思春期に入るまでの時期は、有酸素的な持久力トレーニングや最大筋力や瞬発力を鍛えるウェイトトレーニングは避け、感覚・神経系トレーニングに重きが置かれるべきであると言われています。

 

 有効なトレーンング方法としては、簡単なボール操作スキルに「プレッシャー」を加える方法です。

 

 バルシューレでは、7つのプレッシャーを意図的に加えていきます。

 

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 一つのボールスキル(例えばドリブル)でもプレッシャーを変えるだけで7種類のトレーニングとなります。

 

 子どもたちの運動協調性を鍛える方法は無数に広がっていきます。

 

 一般的な運動能力の向上を目指す場合には、特殊なスキルを求めるような課題設定はしない、という原則があります。

 

 ボールを操作する運動協調性のトレーニングで最も大切なことは、簡単なボールスキルにプレッシャーという変数を与えることで「スパイス」を効かせて味付けすることです。

  

7.モジュール・スキルの育成(C)

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 バルシューレ3つ目の柱は、最新の運動理論研究の応用から出てきたものです。

 

 モジュールスキルというと、初心者にいきなり高度なスキルを教え込むかのような印象を与えるかもしれませんが、全く逆です。

 

 むしろここで重視されていることは、将来ポジティブな効果を生み出せるように、これまでならほんの手がかかり程度にしか開発されてこなかった土台をいかに広げておくかということです。

 

 例えて言うならば、基礎的な技術要素(モジュールスキル)という積み木で「箱」がいっぱいになるようにしておくということです。

 

 ボールゲーム運動の多様かつ包括的な「組み立て資材」を獲得させることになります。一般化される感覚運動的なスキルパーツを求め、それを訓練するのです。

 

 具体的な7つのモジュールスキルを以下に紹介します。 

 

 

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・軌道の認識/飛んでくるボールの距離、方向、速さを先取りして知覚する

 

・味方の位置、動きの認識/一人あるいは複数の味方の位置や走る方向、速度を先取りし、知覚する

 

・敵の位置、動きの認識/一人あるいは複数の敵の位置や走る方向、速度を先取りし、知覚する

 

・ボールへのアプローチの決定/ボールにアプローチするために走らなければならない距離、方向、速度を先取りし、決定する

 

・キャッチ、キープのコントロール/飛んでくるボールをキャッチし、ドリブルなどでキープするときの動きをコントロールする

 

・パス、シュートのコントロール/ボールを投げ、蹴り、打つ時の力の入れ方や方向(角度)をコントロールする

 

 バルシューレでは、さまざまなゲームを通して、これらの技術を高めていきます。

8.3領域をまとめると…

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 以上のような考え方をもとに、本教室ではボール運動教室を実施していきます。

 

 詳しいゲーム内容については、実際に体験して頂く方が分かりやすいかと思います。

 

 体験はいつでも可能です。興味ある方はこちらまでご連絡ください!

 

 たくさんのお問い合わせをお待ちしております。

 

TEL 052-501-0202

 

参考文献

1)木村真知子『子どものボールゲーム バルシューレ』創文企画、2007年、12-14

2)田附俊一「Ballschule(バルシューレ)の試み」スポーツ方法学研究、第22巻 第2号、113-119項、2009

3)丹羽敦巳「バルシューレの実践報告~特に幼児のためのボール遊びプログラムに関して~」奈良体育学会研究年報(1748-51